野々市市の水はおいしいのですか
質問
野々市市の水はおいしいのですか。
回答
昭和60年に厚生省(現 厚生労働省)が設置した「おいしい水研究会」から「おいしい水」の要件7項目が報告されています。水には多くの成分が溶け込んでおり、その量やバランスによって水の味が変化します。
おいしい水とは、「ミネラル、硬度、炭酸ガス、酸素を適度に備えた冷たい水」と言われています。不純物をまったく含まない水(純粋な水)は、飲んでも決しておいしい水とは言えません。適当な物質が適度に溶けていることがおいしい水の要件なのです。
水の味をよくする成分として、カルシウム・マグネシウム等や蒸発残留物がコクとまろやかさを、水に溶けた炭酸ガス(遊離炭酸)が清涼感を与えます。また、水の味を悪くする成分は有機物等や残留塩素があり、これらが多いと臭気が強くなり味を損ないます。さらに、水温が水の味に関係することもよく知られており、水質要件では20℃以下となっていますが、15℃以下がおいしさの適温といわれています。
野々市市の水道水は、「おいしい水」の要件7項目をほとんど満たしており、北部配水区の硬度が多少要件を満たしていませんが、その差は僅かですので、野々市市の水は『おいしい水』と言えます。
項目 | 簡単な説明 | 要件 |
---|---|---|
蒸発残留物 | 主にミネラルの含有量を示し、量が多いと苦み、渋味などが増加し、適度に含まれると、こくのあるまろやかな味がします。 | 30~200mg/L |
硬度 | ミネラルの中で量的に多いカルシウム・マグネシウムの含有量を示し、硬度の低い水はくせがなく、高いと好き嫌いがでます。一般的にカルシウムに比べてマグネシウムの多い水は苦みが増します。 | 10~100mg/L |
遊離炭酸 | 水に含まれる炭酸ガスのことです。この成分は、水にさわやかな味を与えますが、多いと刺激が強く飲みにくくなります。 | 3~30mg/L |
過マンガン酸カリウム消費量※1 | 有機物量を示し、多いと渋味をつけ、多量に含むと水の味を損ないます。 | 3mg/L以下 |
臭気強度 | 水につくにおいの強さを数字で表したものです。数字が大きくなるほど不快に感じます。 | 3以下 |
残留塩素 | 水にカルキ臭を与え、濃度が高いと水の味をまずくします。 | 0.4mg/L以下 |
水温 | 夏場に水温が高くなると、あまりおいしくないと感じられます。冷やすことにより、おいしく飲めるようになります。 20℃以下 | 20℃以下 |
※1 現在、水道法の水質検査基準では、有機物の指標としてTOC(全有機物炭素)が用いられています。