喜多家住宅が国の重要文化財に追加指定されることになりました
喜多家住宅が国の重要文化財に追加指定されました
本町地区を通る旧北国街道沿いに建つ喜多家住宅は、幕末から酒造業を営んでいた旧家であり、主屋(おもや)及び道具蔵(どうぐくら)は、昭和46年(1971)に重要文化財に指定されています。
主屋北側に接続する旧酒造施設は、江戸時代の終わりから始まった酒造りの場の原型として今日まで良好な状態で残されており、非常に高い歴史的価値を有していることから、このたび重要文化財に追加指定されることになりました。
名 称 | 喜多家(きたけ)住宅(じゅうたく) |
種 別 | 重要文化財建造物(昭和46 年12 月28 日指定) |
構 成 | [既 指 定]主屋(おもや)、道具蔵(どうぐくら) |
[追加指定]作業場(さぎょうば)、酒蔵(さかぐら)、前蔵(まえぐら)、貯蔵庫(ちょぞうこ)、土地 附 麹室(こうじむろ)、精米所(せいまいじょ)、 米置場(こめおきば) |
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概 要 |
酒造施設は、主屋北側に接続し、作業場を中心に、その東側に前蔵と酒蔵、西側に貯蔵庫があります。 作業場は、洗米や蒸米、瓶詰作業を行った建物で、中庭からの採光や水路を利用した洗い場など敷地条件を活かした造りとなっています。 酒蔵は、明治3 年(1870)建設で喜多家最大の蔵であり、間口の大きな入口、櫂入作業(かいいれさぎょう)の足場など酒蔵としての特徴を残しています。 前蔵は、江戸時代後期に建設された土蔵であり、酒造業では仕込み蔵として利用されていました。 貯蔵庫は、腰壁に七宝繋文(しっぽうつなぎもん)の模様が施されており、主屋座敷から見た中庭の背景と調和を生み出しています。 以上、喜多家が整備した酒造業の一連の施設は、明治期の地方の小規模酒造業の原型をよく残していることから、追加指定して保存を図るものであります。 |
用語解説 |
櫂入作業(かいいれさぎょう) 酒母(しゅぼ・蒸し米に麴を加えて発酵させたもの)や醪(もろみ・原料が発酵した柔らかい固形物)などの材料(水と麹と蒸米)を櫂棒でかき混ぜる操作。 七宝繋文(しっぽうつなぎもん) 両端の尖った長い楕円形をつなぎ合わせた文様。 |