江戸時代の産物
江戸時代には野々市の特産品として「野々市煎餅(ののいちせんべい)」「野々市草履(ののいちぞうり)」が有名で、京都にも知られた名物でした。このふたつの特産品は、京都の鹿苑寺(ろくおんじ)[金閣寺]に贈(おく)られていて、お寺には、「加州之名物(かしゅうのめいぶつ)野々市煎餅一箱三百枚」[加州とは加賀国のこと]と「野々市草履十足一箱」というように、届いた贈り物の記録が残っています。
「野々市煎餅」は、うす味(あじ)が普通の人たちの口にあわなかったためか、江戸時代の終わりには、名前も忘れられてしまったようです。江戸時代に有名であった「野々市煎餅」の名前を残すために、現在は野々市市観光物産協会が「野々市煎餅・愛と和」を販売しています。
このほかの特産物として、田中村[いまの郷町]のまわりで作られていた瓜(うり)や、野々市村と矢作村で生産していた小堅瓜茄子(こかたうりなす)も有名でした。
野々市市観光物産協会が販売している野々市煎餅