選挙運動とは、特定の選挙に特定の候補者の当選を図ることを目的に、投票行為を勧めることをいいます。選挙が公正に行われるよう、選挙運動には一定のルールがあります。
立候補の届出が受理されてから、投票日前日までです。届出が受理される前の選挙運動は事前運動とされ、禁止されています。また投票日の選挙運動が禁止されていることにも注意してください。
(新聞折込みでの頒布、選挙事務所内での頒布、個人演説会会場での頒布、街頭演説場所での頒布)
公職選挙法に基づき、候補者は選挙運動用自動車から拡声機を使い名前を連呼したり、街頭で演説をしたりしています。この法律では、午前8時から午後8時までの間に限るという制限は定められていますが、音量の規制については特に定められていません。
騒がしく感じることもあるかもしれませんが、候補者は法律に限られた範囲内で精いっぱい有権者に訴えかけています。選挙運動期間中は有権者の方々にご理解をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
文書図画による選挙運動は、お金のかかる選挙の原因となりやすいことから、特に詳細な規制があります。選挙運動に使える文書図画は次のものだけで、他のものを使うことは禁止されています。また有権者に選択材料を提出して合理的選択を行えるよう、公営メディアとして「選挙公報」も頒布されています。
(禁止事項)
(「〇〇後援会事務所」などのように、単に名称を表示したもの)
ポスター、立札及び看板の類
<屋内>・大きさ:規格制限なし
・数量:制限なし
<屋外>・大きさ:縦273cm×横73cm以内
・数量:会場ごとに通じて2以内
ちょうちんの類
・大きさ:高さ85cm×直径45cm以内
・数量:会場ごとに、会場内か会場外にいずれか1個
・のぼり旗の使用
のぼり旗は、公職選挙法では立札及び看板の類にあたります。公職の候補者等の氏名や、氏名が類推される事項を表示した立札及び看板の類は、政治活動のための講演会など集会の会場において開催中に会場内で使用するものを除き、候補者等の個人の政治活動のために使用することができません。
ただし、公職の候補者等の氏名等を記載した立札及び看板であっても、政党名やその政党のスローガンが記載されているようであれば、政党等の政治活動のために使用するものとみなされ、掲示できることもあります。
・たすき等の使用
公職の候補者等が政治活動を行う場合において、その氏名または氏名が類推される事項を記載した「たすき」の使用はできません。氏名等の記載がある「たすき」は、選挙運動期間において候補者に限り使用できるものであることから、事前運動の禁止に違反する恐れがあります。
ただし、政治活動のためにする演説会・講演会・研修会等で開催中に会場内で使用することは可能です。
【買収】
・金銭、物品、その他財産上の利益を供与すること
※選挙犯罪のなかでもっとも悪質であり、法律で厳しい罰則が定められています。候補者だけでなく選挙運動者が処罰された場合にも当選が無効になります。
【戸別訪問】
・演説会の開催または演説を行うことについての告知を行うこと
・特定の候補者の氏名または政党その他の政治団体の名称を言い歩くこと
【署名運動】
・投票依頼等の目的をもって多数の人から署名を収集すること
【飲食物の提供】
・選挙運動に関して飲食物を提供すること
(ただし、お茶や通常用いられる程度の菓子については除かれる。また、選挙運動員に渡す一定の数の弁当は提供できる。)
【気勢を張る行為】
・選挙運動のために自動車を連ねたり隊列を組んで往来すること
【選挙期日後のあいさつ行為】
選挙期日後に当選または落選に関し、あいさつをする目的で次の行為を行うこと
・戸別訪問すること
・文書図画の頒布または掲示すること
・当選祝賀会を開催すること
・当選に関する答礼のため、当選人の氏名または政党等の名称を言い歩くこと
公職選挙法では、「政治家が選挙区内の人に金銭や物を贈ること」や「有権者が政治家に寄附を求めること」、「政治家から有権者への寄附を受け取ること」を禁止しています。これは、政治家が寄附にお金をかけることをなくして、お金のかからない選挙、きれいな選挙を実現するためです。
ここでいう政治家とは、「現に公職にある者」「候補者」「候補者になろうとする者」は含まれています。
政治家が選挙区内にある者に対して、お中元やお歳暮の寄附等をすることは、次のものを除きすべて罰則の対象となります。
上記のものであっても、選挙に関してなされた場合や一般の社交を超えている場合は処罰されます。
誰でも、政治家に対して寄附を出すよう勧めることや、要求することは禁止されています。政治家を威圧したり政治家の当選または被選挙権を失わせる目的で勧誘や要求をすると罰則の対象となります。
後援団体(いわゆる後援会)が、選挙区内にある人や団体に対して、花輪、供花、香典、祝儀その他これらに類するものを出すことは、その時期や名義のいかんを問わず罰則の対象となります。また、後援団体の設立目的により行う事業や事業に関する寄附以外の寄附についても、同様です。
政治家や後援団体が選挙区内にある者に対して、新聞や雑誌などにあいさつを目的とする有料の広告(名刺広告など)を出すと処罰されます。なお、誰でも政治家や後援団体に対して、あいさつを目的とする有料広告を求めることも禁止されています。
政治家は選挙区内にある者に対して、答礼のための自筆のものを除き、暑中見舞等の時候のあいさつ状を出すことを禁止されています。
資料:財団法人 明るい選挙推進協会